yuchiの日記

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強くて名前が長いスイッチャー(Blackmagic Design ATEM 2 M/E Constellation HD)を買った話

1ヶ月ちょっと前にBlackmagic Design ATEM 2 M/E Constellation HDと言う半業務用みたいなスイッチャーを買いました。製品名が本当に長い。 www.blackmagicdesign.com

ATEM Constellationシリーズは1M/E,2M/E,4M/Eと大きく3つのモデル展開があってその内の松竹梅でいうと竹を購入。
この機械1つで2系統のスイッチングができます。

購入に至るまでの話

元々メインで使っていたスイッチャーがATEM Mini Proで値段やサイズ感ともに非常に導入しやすく、単体でライブエンコーダーやMASTERの外部メディアへの録画機能を有している便利なスイッチャーを使ってました。
オンライン配信/オフラインのスイッチングだけであればこれやOBSがあれば十分事足りる状況ではあったのですが、オフラインとオンラインのハイブリッドイベントが増える中で「複数の登壇者の映像とスライドを写したい」「1つの機材で配信と現地別々の映像を作って出したい」という要求が出てくるとATEM Mini ProではPinP/1系統出力しか行えないので要件を満たさなくなってしまいました。
次に出てくるのがOBSなどのソフトウェアでの選択肢になりますが、動作の信頼性を考えると個人的にはあまり取りたくない手段です。
そうすると4入力を同時にハードウェア上で合成できるSuperSource機能を有しているATEM Mini Extremeの選択肢が上がってきました。

www.youtube.com

懸念点としては3つあります。

  • オーディオインプット
    オーディオのインプットが3.5mmのステレオステレオミニと言う点。

ミキサーなどのバランスXLR出力をアンバランスのステレオミニの入力に入れるには以下のようなレベルコンバーターが必要となるため、躊躇していました。

  • HDMI入力
    ハイブリッドで行う場合、会場が広いとHDMI(~10m)では足りずSDIで引きまわすことが多いのでカメラからのHDMI to SDI、SDI to HDMIの変換器のペアを信号数だけ必要になるといった点もありました。

  • 出力系統
    コンシューマー製品のスイッチャーなので複数入力1出力が当たり前ですが、ハイブリッドイベントだと配信用の画と会場用の画は別々に作りたいわけです。
    会場にPinP付きの映像は要らないですし、配信にスライドだけの画を出すのも雰囲気が全く伝わらないので複数のスイッチャーを用意して映像をスプリッターなどで分割する必要があります。
    個人的には(モノによりますが)HDMIスプリッターの信頼性は低いと思っており、当日映らない/途中で映らなくなったというのは避けたいです。胃とメンタルは強くないので。
    そうすると必然的に2系統スイッチングができる機材が欲しくなります。

朝4時の出会い

ATEM Constellationシリーズの存在は認知していましたが、実売20万円を超えていたため予算オーバー。選択肢にも入っていなかったのですが、夜中機材屋のセール情報を見ていたら16万円で販売しているのを見つけてしまい「安すぎる!!!」と一人で1時間ぐらい悩み、仕様とマニュアルを読み漁って買いました。

1つの機材に入れた映像信号を2系統のスイッチングのソースとして扱えるのはハイブリッドイベントでは心強い機能です。
ハイブリッドイベントでの配信の大変さに関してはこの記事がとても共感できたのでぜひ読んでみてください。

jaco.udcp.info

こうして夜中の勢いで機材をお迎えしました。

買ってからやったこと

SDIコンバーター

この機材はHDMI端子は一切なく、すべての入出力すべてがSDIで行われるため結局コンバーターを買いました。 元々1セット所有していたためHDMI to SDI 3台とマルチビュー用、マスターアウト用にSDI to HDMIを1台買い足しました。

ヘッドホンモニター用の変換アダプター

ATEM Constellationシリーズのヘッドホンモニターはトークバックヘッドセット用のXLR 5Pinです。ステレオフォンとかじゃないです。
モニター出力のために業務用のヘッドセットなんてものは必要ないのと、現場へ持っていく機材量を考えればiPhoneに付いていた白イヤホンでモニターしたいです。

この世の中にはXLR 5Pinからステレオフォンの変換など無く、必然的に自作するしかなくなりました。
5Pinなので1,2はLRの音声、3はGND、4はマイク、5はマイクGND or 通信っぽい と考えれば自作できる気がすると思えます。出てくるのは音声信号なので間違っても火を吹いたりしないので安心ですね。

スピーカーケーブルとステレオフォンコネクタのメスは家に転がっていたのでサウンドハウスの注文のついでに以下のXLR 5Pinコネクタを購入。
みんなだいすきCLASSIC PRO。250円で買えます。

https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/244367/

出力ピンはインターネットの海を探すと同じことをやろうとしている人がすでにBMDに問い合わせをして聞いてくれたっぽく、それを信じて自作です。

1発で音が出たので完全に満足です。あくまでも自己責任で。

Blackmagic Web Presenter HD

こいつはATEM Mini Proと違って単体では配信できないです。かといってわざわざATEM Miniに信号入れて配信したり、OBSで配信なんてもってのほかです。
もうハードウェアしか信じれないのでSDI入力できるハードウェアライブエンコーダーを買いました。
ステータス情報の画面がかっこいい。これのために買ったみたいなところがあります。
ステータス画面もSDIで出せるので(うれしい) ATEM 2 M/E Constellation HDのInputに入れて1台のプレビューモニターで確認しています。

ラック

ATEM 2 M/E Constellation HDは1Uサイズでラックマウントできる機材です。 Blackmagic Web Presenter HDも高級金属板を買えばラックマウントできます。

この機材単体で複数の現場に持っていきましたが、設営撤収でプチプチでくるんだり背面の接続が大変だったりして「箱を現場の卓に置いて電源とLANとSDI信号を必要なだけ入れたら配信即スタート!撤収もコネクタからケーブル抜いて巻くだけ即撤収!」ができるロマンを求めてラックを作ることにしました。

機材素の状態で持っていて現地で0から設営/接続やると地獄になります。

会場からの電源、有線LAN、XLRのオーディオ、SDI信号、ATEM制御用のMacBookUSB3.0のコネクタに挿せば配信がすぐにできる箱が完成しつつあります。
事前の仕込みとカメラの設営、音周りチェックを同時並行で行えば最短10分とかでOnAir Ready状態までできるはずです。
まだ未完成なので今月中には完成させたい。

運搬手段も忘れずに。 www.monotaro.com www.monotaro.com

SDIケーブル自作環境

スイッチャーから背面パネルのコネクタまで短いSDIケーブルが大量に必要となります。また、長いSDIケーブルも必要になることがわかっていったので思い切って100m巻のSDIケーブルを買いました。
毎回既製品なんて買ってられないですからね。

コネクタはヤフオクなどでたまに出てくるのを落札して圧着はCANARE純正などは買うほど余裕がないのでパチモンを使います。事故っても自己責任というのは認識の上で。

本業は何なの

SREっぽいことをやっています。配信全く関係ないです。
趣味でやってるので休日とかであればご相談いただければ機材担いで配信できますのでお気軽にお声がけ下さい。