スイッチャーを乗り換えてから配信はBlackmagic Web Presenter HDを使っています。
この機材は有線LANだけではなく、USB Type-C端子からスマートフォンのテザリング機能を使ってバックアップの回線を用意することができます。
USBテザリング機能があるモバイルルーターも使えるので絶対に落としたくないような現場では回線の冗長化を行っていました。幸いなことに今まで有線LAN側で問題が起こったことなく、実際に問題が発生したときにフェイルオーバーの挙動がどうなるのかが気になったので意図的にLANケーブルを抜いたときの挙動を調べてみました。
検証環境
- Blackmagic Web Presenter HD
実際に配信中にLANケーブルを抜いてみる
図のようにルーターとスイッチングハブを繋がっているLANケーブルを抜き、スイッチングハブとBlackmagic Web Presenter HDはリンクアップしている状態にしました。
結果としてはフェイルオーバーされることなく配信がストップしてしまいました。
次にWeb Presenter HDに刺さっているLANケーブルを抜いて挙動を確認してみます。
この場合は正しくスマートフォン側にフェイルオーバーされて配信が継続できました。生放送アーカイブを確認すると8秒程度の映像の欠落が発生していました。
Web Presenter HDのコンソールの録画のスクリーンショットです。00:01:00にLANケーブルを抜いてます。
わかりにくいですがON AIRの横のスマホマークが1分3秒ごろに青くなり回線の切り替えが行われたことを表しています。
逆にスマートフォン側で配信が行われている状態でLANケーブルを戻してもスマートフォン側で配信が継続しました。 この点はフェイルオーバー後気づかずに配信継続が行われて通信量制限にかからないように注意が必要ですね。
最後に有線LANが繋がっている状態でスマホ側の接続を切ると4秒程度の映像の欠落が発生しました。スマホ→有線LANの切り替えはすぐに行われるようです。
実際の配信アーカイブです。以下のタイミングで抜き差しを行っています。
- 00:01:00 有線LAN接続断
- 00:01:30 有線LAN差し込み(変化なし)
- 00:02:00 iPhone接続断
まとめ
フェイルオーバーされる条件は有線LANのリンクアップが切れたらということが分かりました。 有線LAN側の通信速度が著しく遅くなったり、ルーター側の電源停止やルーターとスイッチングハブの間のLANケーブルが切断されることが発生しても、Web Presenter HDがスイッチングハブと繋がっているとLANのリンクアップが継続されるためフェイルオーバーにはなりません。物理層レベルで接続が無くなることがフェイルオーバーの条件のように考えられます。
なのでコンソールのキャッシュが急増してすぐに戻らないようであれば有線LANを抜いてスマートフォン側に切り替わるようにする必要がありそうです。
誰かの参考になれば幸いです。